Our Processes | Lam Research

ラムリサーチのプロセス技術

原子レベルのプロセス精度

最先端チップの製造プロセスは、ナノメートル(nm)単位の超微細加工、新規材料、複雑な3D構造などの課題に直面しており、文字通り物理と化学の限界に挑戦しています。最新の半導体設計を実際に生産するには、原子レベルの加工精度が必要です。

こうした新しいプロセス技術は、最新チップが生産ラインに投入されるまでに、量産展開できる準備を整えておく必要があります。そのため、ラムリサーチのエンジニアや科学者は、お客様の生産現場における状況やニーズを常に把握するよう努めています。成膜デポジション、プラズマ・エッチング、フォトレジスト・ストリップ、ウェハ・クリーンをはじめ、業界をリードする当社の広範な製品ラインナップは、半導体の製造工程全体を通じて繰り返されるプロセスをカバーしています。重要な工程において、高度なプロセス計測・制御機能を提供する、高精度な質量計測製品もとり揃えています。


デポジション

デポジション工程では、半導体デバイスの材料となる誘電膜(絶縁膜)と金属(導体)の薄膜層を形成します。使用する材料や配線槽の構造により成膜方法は異なります。電解メッキ(ECD、ElectroChemical Deposition)はIC内の素子を接続するCuの「電線(インターコネクト)」を作るのに使用します。Cuや他の金属メッキはシリコン貫通ビアやWLPの工程でも用いられます。微細なタングステンのプラグ形成には精密な化学気相成長(CVD、Chemical Vapor Deposition)や原子数個分の層を少しずつ堆積する原子層成膜(ALD、Atomic Layer Deposition)を使います。プラズマCVD(PECVD)、高密度プラズマCVD(HDP-CVD)およびALDは電気素子を保護・絶縁するのに極めて大事な役割を果たす絶縁膜を形成するのに利用されます。

ラムリサーチのデポジション製品は、多くの材料の種類と要件に対し、幅広い製造アプリケーションに必要な、精度、性能、柔軟性を提供します。

エッチング

エッチング工程は、デポジション工程で形成した誘電体(絶縁膜)と金属(導電膜)を選択的に削り取って加工するプロセスです。このプロセスでは、加工対象となる材料が多くあるほか、その形状は微細化と複雑化を増す一方です。最も基本的な技法である反応性イオンエッチング(RIE、Reactive Ion Etching)はイオン(荷電粒子)をウェハ表面に叩き付けることで不要部分を削り取る技術です。加工形状が更に微細になると、原子層エッチング(ALE)が登場します。これは対象素材を原子数個分の厚さで少しずつ、繰り返し削って行くものです。メタルエッチングはトランジスタなどの電子素子の形を正確に加工するものですが、その一方で誘電膜エッチングは導体部分を保護する絶縁体を形成します。エッチングは、チップ間を接続するTSVやMEMSなどで使用される長い柱のような構造を加工するのにも利用されます。

ラムリサーチのプラズマ・エッチング装置は、深く狭い・短く広いなど、わずか数nmの加工形状を正確に仕上げる高性能、高生産性を提供しています。

ストリップ & クリーン

ストリップとクリーンは工程間で実施するステップで、後続の工程で不具合の原因になりえる不要物質を除去するとともに、ウェハの表面状態を整える役割を果たします。フォトレジスト・ストリップは、イオン注入やエッチング後に、用済みになったフォトレジスト膜を取り除くものです。微小異物、汚染物質、残渣やその他異物を除去するのに工程間でウェット・クリーンが行われます。ウェット処理は洗浄だけでなく、ストリップやエッチング工程でも使われます。プラズマベベルクリーンはウェハ端部の不要な物質を取り除くことで、デバイス領域に悪影響を及ぼすのを防止し、歩留まり向上に寄与します。

ラムリサーチのストリップ技術は残留フォトレジストを選択的に除去するもので、広範な工程に対応できる柔軟性を備えています。また、高い生産性を持つクリーン装置は、あらゆる厳しい洗浄ニーズにも応え、中心から縁に至るまで完全なウェハ表面を提供します。

質量計測

質量計測は、製造過程で繰り返されるデポジション、エッチング、クリーンなど主要な工程後に質量変化を計測し経過を監視するものです。光学的な手法では、多層膜、高アスペクト比、複雑な3D構造を含んだデバイスの厚み・深みといった特徴を正確に計測するには限界があります。質量計測では、こうした高度なデバイスでも高精度に計測できるため、高い加工精度が要求される重要工程の監視と制御に有効です。

ラムリサーチの高精度質量計測製品シリーズは、デポジション、エッチング、洗浄の工程においてリアルタイムでわずかな質量変動を記録し、プロセス異常の兆候を検知するため、インライン監視と制御機能として利用できます。

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